初心者必見!ボランティアに参加しよう!<インタビュー編(2)>

2019年10月12日〜13日、台風19号により多くの都市で甚大な被害が発生しました。

その被災地の1つである福島県いわき市で、人生初となる災害ボランティアをし、計2回参加しました。

当記事ではボランティア参加までの流れやボランティア時の経験談を通じて、これからボランティアに行く人の助けになればと思います!

 

 この記事は主に2回目のボランティアの時の依頼者の方や同じ班のボランティアの方がお話されていた中で特に印象的だったこと、そしてそこから筆者が感じたり考えたことをまとめました。

 

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当日の流れ、および1回目のボランティアの時のインタビュー編は⬇︎の記事で紹介しています。

 

初心者必見!ボランティアに参加しよう! - saigaivolunteer13’s diary

 

初心者必見!ボランティアに参加しよう!<インタビュー編(1)> - saigaivolunteer13’s diary


  

 

 (最初に申し上げておくと、今回の記事はボランティア参加者目線で感じたことや学んだことが書かれております。筆者も参加を通して、ボランティア活動は「被災者の目線」で全てを考えなければいけないことを理解しています。しかし、今回の記事は「ボランティアに参加したことがない人」に向けての記事であり、あえて参加者目線で執筆しています。「被災地を助けたい」という純粋な思いを持ってボランティア活動に参加されている方にとっては、違和感のある記事になるかもしれませんが、ご了承ください。)

 

 

報道されない実情

 

 「メディアで報道されていないことは多い。実際に来てみないとその場の実情はわからない。」

 

 2回目のボランティアのリーダーであるTさん(男性)がおっしゃっていたことでした。昼休み中に依頼者宅の自動車を見せていただくと、中は泥まみれでした。「本来なら業者によって自動車は回収され修理などの作業は施されるが、災害から4ヶ月経った今でもなされていないのは仕事が遅すぎる。」このような問題は表に出ていないだけで、被災地には様々に存在するといいます。

 

 また、ボランティアが縮小傾向である理由が復旧が完了しつつあるからではなく、ボランティアにできることが少なくなってきているから、という悔しい事実も教えていただきました。土砂などの被害は重機を使わないと進まないし、そういった大規模の作業はボランティアでは難しいからだといいます。被災地のこれらの情報は、被災地から遠い位置に住んでいる人達には届かないことであり、届いたとしてもそれに対してできることは限られます。しかし、「何を問題視すべきか」ということや「何が求められているか」という情報が、現地の外にいるのと現地に赴くのとでは、ここまで感度や質が違ってくるという事実には考えさせられました。

 

 

現地に赴いたからこそわかること



 「東日本大震災の際、物資支援のとりまとめを行なっていた。」栃木県から参加されていたWさんは、東日本大震災の時の経験がきっかけになってボランティアに参加されました。「東日本大震災の物資支援では当時、実際に行くことができない歯がゆさを感じた経験から、全国で様々なボランティアをしてきた。今回も実際に足を運んで、復旧をサポートしようという思いから参加した。」

 

 2回目のボランティアで同じグループだったCさんは宮城県亘理町から来られていました。東日本大震災津波による甚大な被害を受けた地域です。「電気工事を施工する会社に勤めているが、東日本大震災のときに被害を受けた東北沿岸部の防災無線の工事も行なっている。その仕事に関してはやはり、複雑な気持ちで仕事をせざるを得ない。津波被害を受けて多くの人が亡くなったからこそ受注したという心苦しい気持ちと、人の命を預かっているというプレッシャーを同時に感じるから。」唐突な重い話であったため、「そうなんですか・・」と返すことしかできませんでした。「東日本大震災では自分の会社も被災し、そのときは自分の会社の復旧に手いっぱいで、他の被災者の方を助けることはできなかった。今回、台風19号によってお世話になっている取引先が被災してしまったので、少しでも助けになればという思いから参加した。」と今回のボランティア参加を決意した思いも語っておられました。

 

 被災された方はもちろんのこと、ボランティアに参加されている方々が、抱いている思いは本当に様々でした。そのような話を聞いて筆者が感じたことがあります。それは「筆者が普段目にしている世界というのはほんの一部なんだな」ということです。

 

 東北から遠く離れた場所に住んでいる筆者の周りには台風19号の被害を直接的に受けた方がおらず、同じ日本のことであるのにどこか他人事のように感じられていました。一般的にも、ある災害が起こったとき、「被災地では多くの方が苦労されている」ということを頭で事実として理解するのは簡単ですが、自分の身近なこととして感じることは、難しいことかと思われます。しかし、今回ボランティアに参加し、現地に赴き、多くの方からお話を聞きしました。特に、メディアでは放送されないような個々の生活に直結するような個人的な話も数多く聞きました。そして「遠くで起こっていること」から「自分の身近で起こっていること」に変わったような気がしました。距離感が近くなれば、考え方や起こす行動も変わってくるのかなと思います。

 

ボランティアに参加して

 

 お恥ずかしいことですが筆者は、台風19号が起こったときに、「被災地が大変になっている」という情報は知りつつも、「被災地を助けなければ」という強い思いを持ち、被災地のために何か行動したというわけではありませんでした。そして今回、ボランティア活動することに決めたのは、「社会人になる直前のタイミングで、何かできることはないか」と思っていたときに「台風19号のボランティアが足りていない」という報道を受けたからです。

 

 しかし、実際にボランティア活動に参加すると、多くの学びがありました。被災地の実情をこの目で見たときもかなりショッキングでしたが、やはり印象的だったのは、ここまで述べてきたような被災者の方や一緒に作業するボランティアの方の話でした。話の内容も、その人の考え方、報道されていない情報、その人の実体験、生き様などの多種多様さに考えさせられました。そして考え方が変わった部分もあります。 

 

 また、純粋に困っているひとの役に立つことができたという喜びもありました。ボランティア活動は被災者一人一人が本当に必要としているニーズに対して個々に対応していくものです。ボランティアに2回参加しましたが、被災者のため直接的に役に立つことをすることができました。そして被害を受けた地域全の復旧というのは、個人レベルの支援を一つ一つこなしていくことで、地道に進んでいくものですが、その一端に貢献することができたという思いもありました。

 

 

まとめ

・実際に現地に行ってみないとわからないことが多い

・現地に赴き、自分の目で見たり、様々な方とお話することで、「遠くで起こっていること」から「身近に起こっていること」に変わる

・ボランティア先で出会った多くの方とお話することで様々なことを考えさせられた

・ボランティア参加により、「人の役に立つことができた」という喜びを感じることができた

 

 

 ボランティア活動に参加することで何を感じるかは人それぞれだと思いますが、実際に参加してみないとわからないことがあります。ボランティアの募集が行われるような状況になった場合には、「ボランティア参加への動機」はともかく、前の記事(インタビュー編(1))でも書きましたが、まずは参加してみてはどうでしょうか。

 

 

 

 最後まで読んでいただいてありがとうございました。

 

初心者必見!ボランティアに参加しよう!<インタビュー編(1)>

2019年10月12日〜13日、台風19号により多くの都市で甚大な被害が発生しました。

今回はその被災地の1つである福島県いわき市で、人生初となる災害ボランティアをしました。

当記事ではボランティア参加までの流れやボランティア時の経験談を通じて、これからボランティアに行く人の助けになればと思います!

 

 この記事は1回目のボランティアの時の依頼者の方や、同じ班のボランティアの方がお話されていた中で特に印象的だったこと、そしてそこから筆者が感じたり考えたことをまとめました。

 

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当日の流れについては⬇︎の記事で紹介しています。

初心者必見!ボランティアに参加しよう! - saigaivolunteer13’s diary



(最初に申し上げておくと、今回の記事はボランティア参加者目線で感じたことや学んだことが書かれております。筆者も参加を通して、ボランティア活動は「被災者の目線」で全てを考えなければいけないことを理解しています。しかし、今回の記事は「ボランティアに参加したことがない人」に向けての記事であり、あえて参加者目線で執筆しています。「被災地を助けたい」という純粋な思いを持ってボランティア活動に参加されている方にとっては、違和感のある記事になるかもしれませんが、ご了承ください。)

 

 

ボランティアは若いうちにしておくほうが良い

 

 「ボランティア初心者であっても、やれることはたくさんあるので多くの方に参加して欲しい。」「若い頃にボランティアに参加することは本当に大事だと思う。価値観が変わる。もっと若いうちからやっていればよかったと思った。」

 

 1回目のボランティア先に到着して車から出てすぐに、同じグループのNさん(30代男性)から言われたことでした。確かに誰しもが最初は初心者であり、ボランティアの参加回数によって作業に差が出てしまうのは仕方がないことです。しかし、初心者にもできることはあり、その場で多くのことを参加しながら学べます。大切なのは参加してみることなのだなと感じました。

 

 「10回は来た方が良い。未だにベテランの方から指示をもらいながらやっているが、10回以上参加することで少しずつ色々なことを覚えてきた。」

 

 ボランティアの作業内容は、依頼内容によって様々であるため幅も広いです。筆者らも「庭の土砂を片付ける」という内容でしたが、土嚢袋を使うのも初めてだったため、一見簡単そうな聞こえる作業でも右も左もわからず、まさに1から10まで全て教えていただきました。

 

ボランティアにはそれぞれの関わり方があって良い

 

 「当たり前だけれども、ボランティアをする方よりもされる側の方が辛い。なので、自分たちボランティアが何かをすると言っても喜ばれない、むしろ『早くボランティアしてくれないと困る』というように言われてしまうこともある。でも、そういうときこそ『被災者の方が一番大変なんだ』という気持ちをもって接することが大切。ボランティアをしてあげているというような横柄な態度をとってはいけない。」

 

 行きの車の中でSさん(40代男性)がこのように話されていました。1回目のボランティアのグループのリーダーで、東日本大震災西日本豪雨などの数々の災害でボランティアをしてきたベテランのボランティアの方です。午後の庭の片付けの作業が同じになったこともあり、様々なお話をお聞きすることが出来ました。

 

 「ボランティアに来て、全然活動をしない人もいる。そういう人たちに対して『何のために活動しに来ているんだろう』ということを思っていた。でもよく見ていると、一見作業をしていないような人でも、周りの人と喋っていたりしているだけで雰囲気が良くなっていることもあり、ただ効率性を求めれば良いというものではない。それぞれの関わり方がある。

 

 話を聞くまで、この考え方はありませんでした。ボランティアに参加する前は「ボランティアに行くからには、できるだけ多くのことを効率よく進めなければならない」という普段の仕事のような感覚で作業するものだと思っていました。もちろん人助けに来ているのなら、効率良く作業を進める姿勢も必要ではありますが、「仕事」ではありません。「出来ることを出来るところまで進めよう」という考え方がボランティアの姿勢として大事なんだと感じました。

 

自分が誰かを助けられるうちに助けておく

 Sさんがボランティアに参加したきっかけは東日本大震災だそうです。

 

 「震災は一瞬にして全てを奪い去り、過去と現実の狭間をまざまざと見せつけた。」

 

 震災のボランティアに行った際、今ある現実がいつまでも続くとは限らないということを悟られたそうです。自分が助けられる日が来る可能性が高いなら、助けられるうちに自分が他の人を助けておこうーーーー、そのような思いを持ってSさんは参加されているそうで、その話には筆者も強く共感しました。しかし、このようなこともおっしゃっていました。

 

 「ボランティアをする人は全体的に少ない(人口の1%以下)。色々な種類の作業がありそれぞれにポイントがあるので、そういったことを色々な人ができるようになるのが良いと思うけれども、参加者が少ないので継承が難しい。」

 

 Sさんは、できるだけ多くの人にボランティアのことを知ってもらおうと、毎回のボランティアの様子を写真に収め、その様子をボランティアをしたことがない周りの人にも伝えています。しかし、これを見て実際に来てくれる人も少ないといいます。

 

来てくれることが支えになる

 

 「当時は1メートル80センチの高さまで水が来た。電気の復旧は早かったが、水道がまだ復旧していない。行政の問題でもあるが、道路の工事が優先的にされるようで、まだ水道の復旧の見通しは立っていない。水道が復旧しないとどうにもならないので、生活の方もこれ以上の復旧が進まない。」

 

 そうおっしゃったのは、今回のボランティアの依頼主であるOさんでした。台風19号の影響で浸水被害を受け自宅での生活が困難な状況なので、ご家族が別の街に別れて暮らしています。普段はお仕事をされており、休日に家の片付けの方をしに来られています。

 

初心者でも、来てくれることは本当に嬉しい。

 

そうお話をしていただいてから、1枚の応援メッセージつきの布を見せていただきました。

 

「ボランティアの方が置いていったもの。帰り際にこっそり置いていかれたので、誰が置いていかれたのかはわからなかったが、それに強く励まされた。」

 

 今回のボランティア終了後にも、「本当に助かりました」ということを言っていただき、素直に「よかった」という思いが湧き上がりました。

 

ボランティア参加へのマインド

 

 ボランティア初心者の筆者らにとっては、ボランティアとしての大先輩であるNさん、Sさんのお話は参考になりましたし、何より励ましになりました。また、Oさんからいただいた「初心者でも来てくれたら嬉しい」という言葉は有り難かったです。実際、作業後はとても喜んでいただきました。

 

 1回目のボランティアの際、実際はベテラン勢の方と初心者の僕たちとでは作業が分かれており、僕たちには比較的簡単な庭の清掃という仕事を割り振っていただきましたが、ベテラン勢の方は高圧洗浄機を使ったもっと難度の高いことをされていました。つまり、個々のレベルに合わせて仕事は振っていただくことができ、初心者でも貢献できるように考えていただけるということです。

 

 「ボランティアは一期一会。ほとんどの人とはボランティアは最初で最後。しかも、ボランティアには良い人が集まる。『何か人のためにすることをやりたい』という思いをもってきているので、そりゃ良い人ですよね」先ほどご紹介したSさんがおっしゃっていたことです。

 素敵な人たちと人助けをすることができるのもボランティア参加の良いところです。

 

 もしボランティア参加に興味があり、募集されているならば、「まず参加されること」をお勧めします。自分が現地で何ができるかは、行ってみないとわかりません。しかし行ってみて、被災者目線に立って実際に作業することに、最大の意味があると感じてます。

 

今記事のまとめ

・ボランティアは価値観が変わるので若いうちに参加しておいた方が良い

・ボランティア参加する際は、被災者の方が最も大変であるという気持ちを忘れずに

・ボランティア活動には様々な関わり方がある

・初心者かベテラン関係なく、被災者の方にとって来てくれることが励みになる

・まず参加をしてみることが大切

 

続きのインタビュー編(2)は以下の記事になります⬇︎

初心者必見!ボランティアに参加しよう!<インタビュー編(2)> - saigaivolunteer13’s diary

  

 今回の記事でボランティアに参加することのハードルが少しでも下がり、「行ってみよう」と思っていただける人がいれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました!

初心者必見!ボランティアに参加しよう!

 

2019年10月12日〜13日、台風19号により多くの都市で甚大な被害が発生しました。

今回はその被災地の1つである福島県いわき市で、人生初となる災害ボランティアをしました。

当記事ではボランティア参加までの流れやボランティア時の経験談を通じて、これからボランティアに行く人の助けになればと思います!

 

ボランティアに参加するまで

 

 周りにボランティア経験者がいない中、まずネットで「台風19号 ボランティア」の検索ワードで情報を調べることから始めました。そこでは被災地(千葉、いわき、長野など)ごとに、ボランティアセンターによるボランティアの募集状況が載ったウェブサイトがありました。(以下のURL)

 

www.iwaki-shakyo.com

 

 ボランティアの募集状況は時期によって違います。例えば、災害発生の直後は被災者からの多くの依頼があるため、毎日募集が行われる場合が多いです。受け入れ人数も膨大であるため、特に事前予約は必要ありません。しかし被害が収束に向かってくると、ボランティアの依頼も少なります。毎日行なっていた募集も週末のみに縮小するため、ボランティアの参加に事前予約が必要になってくる場合もあります。

 

ボランティアセンターの仕組みについて

 

 災害が発生すると、その数日後にはボランティアセンターが立ち上がります。それぞれの都市の社会福祉協議会の管轄であるボランティアセンターは、ボランティアを必要とする被災者からの依頼を募ります。一方の被災者の方はボランティアの内容を含め、ボランティアセンターに依頼を出します。

 

 依頼を受けたセンターのスタッフが依頼の内容を見て(現地にも赴く)状況を把握し、緊急性の高い案件からボランティア参加者とのマッチングを行い、現地に派遣するというシステムです。このようにボランティア参加者の受け入れ、依頼の募集、依頼先への交通手段の提供、備品の準備、マッチングなどを一手に引き受けるのがボランティアセンターとなっています。

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   普段、災害のニュースではボランティアセンターのことを主体として扱われることはほとんどありません。しかし、ボランティアセンターがあってこそ、ボランティアが円滑に進むこともあります。

 

ボランティアの参加方法

 

 筆者が参加した1月~2月は台風19号の発生から少し期間が空いたので、時期としてはボランティアが収束する時期でした。なので2回とも土日のみの実施のため事前予約が必要もありました。予約はインターネットで受け付けているところもありますが、筆者はボランティアセンターへの電話で行いました。

 

 また予約をしたとしても、ボランティアの依頼がなければボランティアは実施されない場合があります。需要と供給をギリギリまで見極めた上での判断になるので、ボランティアへの参加が正式に決定するのは直前だったりもします。

 

 筆者の参加したいわき市のボランティアの場合も、ボランティアが実施される3~4日前に決定しました。前泊が必要になる遠方からの参加だったため、ボランティアセンターの方に依頼状況や実施の見通しについて頻繁にお聞きしましたが、とても丁寧に対応してくださりました。

 

当日の流れ

 

 朝8時45分にボランティアセンターに到着すると、すでにボランティアの方の列ができていたのでそこに並びました。センターではまず受付として、氏名・連絡先・当日の健康状況などの確認と、ボランティア保険への加入を済ませました。(いわき市の場合は当日その場で保険に入ることができましたが、全ての市がそうとは限らないので、あらかじめボランティア参加前に必ず保険に入っておきましょう。)

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 受付後、ボランティア初参加者向けのレクチャーを簡単な受けました。主に禁止行為を伝えるもので、そのなかで主だったのは「ボランティア先での写真撮影およびSNSへの無断投稿の禁止」です。特に被災者の方のお宅に伺うケースではプライベート空間での作業になるので、その辺りの気遣いには十分に気を付けましょう。

 

 レクチャー後に依頼とボランティア参加者とのマッチングが行われました。このマッチングでは主に、依頼と参加人数の整合性とボランティア参加者のチームとしてのレベルの均質化(ベテランの方とボランティアに慣れてない人達をバランス良く配置)を図るためのチーム分けが行われました。(ちなみにいわき市の場合、マッチングは挙手制でした。)

 

 チームごとに別れた後は軽く自己紹介を行い、ボランティア経験者の中からリーダーと呼ばれるチームを指揮する方と、タイムキーパーという休憩時間を取るタイミングなどをチェックする方を選出しました。その後センター側で用意した車に、軍手や防塵マスク、スコップ、バール、畳を返す道具などを積み、トイレを済ませて出発しました。(これらの物資は各地からの支援によるものも多いそうです。)

 

服装について

   当日は、動きやすく汚れてもいい服装でボランティアを行いました。(スニーカーに、防水用のウィンドブレーカー、上は暖かめのパーカーなどといったもの。)ボランティア経験者と思われる人の中には、長靴や安全靴を履いていた方もいました。災害が起きてからどのくらい経っているかにもよりますが、用意できるならそちらを装備するのが無難でしょう。

 

作業現場に到着するまで

    今回行った場所は浸水によって大きな被害が出たエリアの一つで、まだ復興が進んでいないのが現状でした。

市内中心部のボランティアセンターから車で10分ほどで浸水被害が出たエリアに入りました。災害から3ヶ月近く経っているので、被害の様子が一眼でわかるというほどではないですが、ところどころ被害を伺わせるものがありました。

 例えば自動販売機がすべて新しいものであったり、薬局やコンビニ、民家などで仮設トイレが設置されているところもありました。また、お伺いしたお宅には、車内まで土砂が入った形跡が見られる車が未だに放置されていました。

 

実際の作業

 ここでは2回参加したボランティアの内容について書こうと思います。

 1回目は6人ほどのグループで依頼されたお宅の庭の清掃と、畳下板を支える根太の清掃を行いました。また、以降の写真は、全て依頼者の方の許可を得て掲載しております。

 

 庭の清掃は、具体的には洪水によって運ばれてきた土砂を片付ける作業です。庭の花壇は未だに洪水による土砂が積み上がったままで、場所によっては木の上にも乾いた土砂がありました。このような状態だとまた大雨が降った時、土砂が花壇から流れ落ち、庭が土まみれになってしまう可能性があります。それを防ぐために、余分な土を土囊袋に入れていきました。

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根太の清掃は、土砂やほこりによって汚れた根太の雑巾掛けです。依頼者のお宅には畳の部屋がありましたが、畳やその下の畳下板が取り外され、その下の根太という畳下板を支える部分がむき出しになっている状態でした。これは洪水による浸水被害によって、床下から乾燥、消毒したりという作業が必要になるためです。根太も浸水被害によって土砂やほこりが付着しているので、そこを清掃して、きれいな状態で畳下板を設置できるようにしました。

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2回目は7〜8人のグループで2軒の家を回りました。1軒目は高齢の女性のお宅で、敷地内のレンガを運び出すというものでした。こちらは10分ほどで終了しました。

 

 

 2軒目の依頼内容は浸水して使用できなくなった家具の運び出しと、浸水してしまった押入れの中身の整理です。家具の運び出しは2時間ほどかかりました。運び出したものは、運ぶのに大人2人が必要になるそこそこ大きな棚が10個ほど。運び出すべき家具はあらかじめ依頼者の方が決められており、私たちボランティアがそれを家の中から庭先まで運びました。この作業が終わった後、運び出した家具をゴミとして処分しやすいようにバラバラにしました。このとき、同時にまだ使用できる家具の移動も行いました。

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 押入れの整理は、まず押入れをこじ開けるところから始めました。浸水の影響で押入れが膨張し開かない状態になっていましたが、住人の方がご高齢ということもあり襖を開けることができませんでした。そこで押入れに傷がつかないように保護しながら道具を使って隙間を作り、そこから徐々に開けていきました。押入れの中には浸水した当時の水を多く含んだ、食器、書籍、日用品などの保管物が多くあり、カビも繁殖していました。そこで、押入れの中のものを全て庭に運び出し、市から借りた業務用扇風機を使って乾燥させました。 

 

 また、押入れからは大量の保管物が出てきたので、処分するものと保管するものを依頼者の方に確認しながら分類し、処分するものに関しては土囊袋に廃棄していきました。この作業は1日では終えることができず、次の日に持ち越しになりました。

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作業後

 午後3時ごろに片付け始め、3時半ごろにボランティア先を出発しました。到着後、道具を片付けて、ボランティアセンターでちょっとした手続きを済ませ、解散になります。手を洗う場所や着替える場所はボランティアセンター内で提供してくれました。また、依頼すれば、その場で「ボランティアの参加証明」を発行してくれます。おそらくボランティアセンターに到着してから出るまで10分ほどだったと思われます。

まとめ

・ボランティアと依頼者の方を結びつけるのがボランティアセンターである

・ボランティア参加には予約が必要になる場合がある

・ボランティアの参加する際にはボランティア保険の加入を

・ボランティア活動は基本的にはチームで行われ、それぞれのチームにリーダーがいる

・ボランティアに参加する際には、最低限、動きやすい服装を。長靴や安全靴でくるとなお良い

・ボランティア終了後に、ボランティア証明書を発行してもらえるところもある

 

 

 この記事では、ボランティアに参加するまでに必要なこと、当日の流れを簡単にまとめました。「ボランティアのことが気になっている」あるいは「ボランティアに行ってみたいと思っている」方々にとって有益な情報が提供できれば幸いです!今回の記事ではボランティアに関しての情報提供に重きを置いて書きましたが、実際にボランティアに参加すると、感じることや考えられることが多くあります。これについてはまた以下の記事に掲載しております!

 

初心者必見!ボランティアに参加しよう!<インタビュー編(1)> - saigaivolunteer13’s diary

 

初心者必見!ボランティアに参加しよう!<インタビュー編(2)> - saigaivolunteer13’s diary

 

 ぜひ参加してみてください!ここまで読んでいただいてありがとうございました!