初心者必見!ボランティアに参加しよう!

 

2019年10月12日〜13日、台風19号により多くの都市で甚大な被害が発生しました。

今回はその被災地の1つである福島県いわき市で、人生初となる災害ボランティアをしました。

当記事ではボランティア参加までの流れやボランティア時の経験談を通じて、これからボランティアに行く人の助けになればと思います!

 

ボランティアに参加するまで

 

 周りにボランティア経験者がいない中、まずネットで「台風19号 ボランティア」の検索ワードで情報を調べることから始めました。そこでは被災地(千葉、いわき、長野など)ごとに、ボランティアセンターによるボランティアの募集状況が載ったウェブサイトがありました。(以下のURL)

 

www.iwaki-shakyo.com

 

 ボランティアの募集状況は時期によって違います。例えば、災害発生の直後は被災者からの多くの依頼があるため、毎日募集が行われる場合が多いです。受け入れ人数も膨大であるため、特に事前予約は必要ありません。しかし被害が収束に向かってくると、ボランティアの依頼も少なります。毎日行なっていた募集も週末のみに縮小するため、ボランティアの参加に事前予約が必要になってくる場合もあります。

 

ボランティアセンターの仕組みについて

 

 災害が発生すると、その数日後にはボランティアセンターが立ち上がります。それぞれの都市の社会福祉協議会の管轄であるボランティアセンターは、ボランティアを必要とする被災者からの依頼を募ります。一方の被災者の方はボランティアの内容を含め、ボランティアセンターに依頼を出します。

 

 依頼を受けたセンターのスタッフが依頼の内容を見て(現地にも赴く)状況を把握し、緊急性の高い案件からボランティア参加者とのマッチングを行い、現地に派遣するというシステムです。このようにボランティア参加者の受け入れ、依頼の募集、依頼先への交通手段の提供、備品の準備、マッチングなどを一手に引き受けるのがボランティアセンターとなっています。

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   普段、災害のニュースではボランティアセンターのことを主体として扱われることはほとんどありません。しかし、ボランティアセンターがあってこそ、ボランティアが円滑に進むこともあります。

 

ボランティアの参加方法

 

 筆者が参加した1月~2月は台風19号の発生から少し期間が空いたので、時期としてはボランティアが収束する時期でした。なので2回とも土日のみの実施のため事前予約が必要もありました。予約はインターネットで受け付けているところもありますが、筆者はボランティアセンターへの電話で行いました。

 

 また予約をしたとしても、ボランティアの依頼がなければボランティアは実施されない場合があります。需要と供給をギリギリまで見極めた上での判断になるので、ボランティアへの参加が正式に決定するのは直前だったりもします。

 

 筆者の参加したいわき市のボランティアの場合も、ボランティアが実施される3~4日前に決定しました。前泊が必要になる遠方からの参加だったため、ボランティアセンターの方に依頼状況や実施の見通しについて頻繁にお聞きしましたが、とても丁寧に対応してくださりました。

 

当日の流れ

 

 朝8時45分にボランティアセンターに到着すると、すでにボランティアの方の列ができていたのでそこに並びました。センターではまず受付として、氏名・連絡先・当日の健康状況などの確認と、ボランティア保険への加入を済ませました。(いわき市の場合は当日その場で保険に入ることができましたが、全ての市がそうとは限らないので、あらかじめボランティア参加前に必ず保険に入っておきましょう。)

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 受付後、ボランティア初参加者向けのレクチャーを簡単な受けました。主に禁止行為を伝えるもので、そのなかで主だったのは「ボランティア先での写真撮影およびSNSへの無断投稿の禁止」です。特に被災者の方のお宅に伺うケースではプライベート空間での作業になるので、その辺りの気遣いには十分に気を付けましょう。

 

 レクチャー後に依頼とボランティア参加者とのマッチングが行われました。このマッチングでは主に、依頼と参加人数の整合性とボランティア参加者のチームとしてのレベルの均質化(ベテランの方とボランティアに慣れてない人達をバランス良く配置)を図るためのチーム分けが行われました。(ちなみにいわき市の場合、マッチングは挙手制でした。)

 

 チームごとに別れた後は軽く自己紹介を行い、ボランティア経験者の中からリーダーと呼ばれるチームを指揮する方と、タイムキーパーという休憩時間を取るタイミングなどをチェックする方を選出しました。その後センター側で用意した車に、軍手や防塵マスク、スコップ、バール、畳を返す道具などを積み、トイレを済ませて出発しました。(これらの物資は各地からの支援によるものも多いそうです。)

 

服装について

   当日は、動きやすく汚れてもいい服装でボランティアを行いました。(スニーカーに、防水用のウィンドブレーカー、上は暖かめのパーカーなどといったもの。)ボランティア経験者と思われる人の中には、長靴や安全靴を履いていた方もいました。災害が起きてからどのくらい経っているかにもよりますが、用意できるならそちらを装備するのが無難でしょう。

 

作業現場に到着するまで

    今回行った場所は浸水によって大きな被害が出たエリアの一つで、まだ復興が進んでいないのが現状でした。

市内中心部のボランティアセンターから車で10分ほどで浸水被害が出たエリアに入りました。災害から3ヶ月近く経っているので、被害の様子が一眼でわかるというほどではないですが、ところどころ被害を伺わせるものがありました。

 例えば自動販売機がすべて新しいものであったり、薬局やコンビニ、民家などで仮設トイレが設置されているところもありました。また、お伺いしたお宅には、車内まで土砂が入った形跡が見られる車が未だに放置されていました。

 

実際の作業

 ここでは2回参加したボランティアの内容について書こうと思います。

 1回目は6人ほどのグループで依頼されたお宅の庭の清掃と、畳下板を支える根太の清掃を行いました。また、以降の写真は、全て依頼者の方の許可を得て掲載しております。

 

 庭の清掃は、具体的には洪水によって運ばれてきた土砂を片付ける作業です。庭の花壇は未だに洪水による土砂が積み上がったままで、場所によっては木の上にも乾いた土砂がありました。このような状態だとまた大雨が降った時、土砂が花壇から流れ落ち、庭が土まみれになってしまう可能性があります。それを防ぐために、余分な土を土囊袋に入れていきました。

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根太の清掃は、土砂やほこりによって汚れた根太の雑巾掛けです。依頼者のお宅には畳の部屋がありましたが、畳やその下の畳下板が取り外され、その下の根太という畳下板を支える部分がむき出しになっている状態でした。これは洪水による浸水被害によって、床下から乾燥、消毒したりという作業が必要になるためです。根太も浸水被害によって土砂やほこりが付着しているので、そこを清掃して、きれいな状態で畳下板を設置できるようにしました。

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2回目は7〜8人のグループで2軒の家を回りました。1軒目は高齢の女性のお宅で、敷地内のレンガを運び出すというものでした。こちらは10分ほどで終了しました。

 

 

 2軒目の依頼内容は浸水して使用できなくなった家具の運び出しと、浸水してしまった押入れの中身の整理です。家具の運び出しは2時間ほどかかりました。運び出したものは、運ぶのに大人2人が必要になるそこそこ大きな棚が10個ほど。運び出すべき家具はあらかじめ依頼者の方が決められており、私たちボランティアがそれを家の中から庭先まで運びました。この作業が終わった後、運び出した家具をゴミとして処分しやすいようにバラバラにしました。このとき、同時にまだ使用できる家具の移動も行いました。

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 押入れの整理は、まず押入れをこじ開けるところから始めました。浸水の影響で押入れが膨張し開かない状態になっていましたが、住人の方がご高齢ということもあり襖を開けることができませんでした。そこで押入れに傷がつかないように保護しながら道具を使って隙間を作り、そこから徐々に開けていきました。押入れの中には浸水した当時の水を多く含んだ、食器、書籍、日用品などの保管物が多くあり、カビも繁殖していました。そこで、押入れの中のものを全て庭に運び出し、市から借りた業務用扇風機を使って乾燥させました。 

 

 また、押入れからは大量の保管物が出てきたので、処分するものと保管するものを依頼者の方に確認しながら分類し、処分するものに関しては土囊袋に廃棄していきました。この作業は1日では終えることができず、次の日に持ち越しになりました。

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作業後

 午後3時ごろに片付け始め、3時半ごろにボランティア先を出発しました。到着後、道具を片付けて、ボランティアセンターでちょっとした手続きを済ませ、解散になります。手を洗う場所や着替える場所はボランティアセンター内で提供してくれました。また、依頼すれば、その場で「ボランティアの参加証明」を発行してくれます。おそらくボランティアセンターに到着してから出るまで10分ほどだったと思われます。

まとめ

・ボランティアと依頼者の方を結びつけるのがボランティアセンターである

・ボランティア参加には予約が必要になる場合がある

・ボランティアの参加する際にはボランティア保険の加入を

・ボランティア活動は基本的にはチームで行われ、それぞれのチームにリーダーがいる

・ボランティアに参加する際には、最低限、動きやすい服装を。長靴や安全靴でくるとなお良い

・ボランティア終了後に、ボランティア証明書を発行してもらえるところもある

 

 

 この記事では、ボランティアに参加するまでに必要なこと、当日の流れを簡単にまとめました。「ボランティアのことが気になっている」あるいは「ボランティアに行ってみたいと思っている」方々にとって有益な情報が提供できれば幸いです!今回の記事ではボランティアに関しての情報提供に重きを置いて書きましたが、実際にボランティアに参加すると、感じることや考えられることが多くあります。これについてはまた以下の記事に掲載しております!

 

初心者必見!ボランティアに参加しよう!<インタビュー編(1)> - saigaivolunteer13’s diary

 

初心者必見!ボランティアに参加しよう!<インタビュー編(2)> - saigaivolunteer13’s diary

 

 ぜひ参加してみてください!ここまで読んでいただいてありがとうございました!